子宮内膜症
子宮内膜症の検査と治療
本来子宮の内腔にある子宮内膜が子宮の外の骨盤の腹膜、卵巣、子宮表面、周辺の膀胱や直腸に発生し月経周期に合わせて増殖と出血を繰り返します。
そのため生理時の激しい痛みや腰痛、あるいは慢性の腹部不快感や痛みの原因となります。
不妊の原因にもなります。
また、チョコレート嚢胞という卵巣腫瘍の原因にもなります。
来院される患者様の訴えのほとんどが生理時の激しい痛み、生理と関係ない時期の慢性の痛みやセックス時の痛み、便通時の痛みといったものです。
診断は腹腔鏡というお腹に小さな切開を加えてスコープを挿入してお腹のなかをビデオモニター下に直接観察する検査が有用です。
しかし全ての患者さまに必要というわけではありません。十分な問診、診察と超音波検査でおおよその子宮内膜症の診断はできます。
治療は薬物療法が主体になります。
時に主に腹腔鏡を用いた手術が必要なことがあります。
薬物療法は、
1)痛み止めなどの対処療法や漢方薬による治療、
2)低用量ピルの服用、
3))GnRHa療法による偽閉経療法、
4)ディナゲストによる黄体ホルモン療法があります。
以前行われていたダナゾール療法は最近行われなくなってきています。それぞれの薬物療法は利点、欠点があります。治療にあたっては患者さまと治療方法をよく相談して決めていかなければいけません。
子宮内膜症は妊娠を契機に軽快することが多いのも特徴です。