ミレーナ®52mg
「ミレーナ」は黄体ホルモンを子宮の中に持続的に放出する子宮内システム(IUS: Intrauterine System)です。
低用量経口避妊薬(OC)の避妊効果と、子宮内避妊用具(IUD)の長期の避妊が可能であるという特徴を持っています。
T字型の柔らかいプラスチック器具を子宮内に装着すると、黄体ホルモンがゆっくりと放出され、高い効果を発揮。
一度の装着で最長5年間の効果を得られます。
ミレーナの効果
過多月経・月経困難症の改善
ミレーナから放出されるレボノルゲストレルは、子宮内膜の増殖を抑える働きがあるため、内膜は薄い状態となり、月経量を減少させるとともに月経痛を軽くします。
※バイエル薬品株式会社より資料提供
避妊効果
ミレーナから放出されるレボノルゲストレルは子宮内膜の増殖を抑える働きがあるため、内膜は薄い状態となり、妊娠の成立(受精卵の着床)を妨げたり、子宮の入口の粘膜を変化させて精子が膣の中から子宮内に侵入するのを妨げたりすることで妊婦効果を発揮します。
※バイエル薬品株式会社より資料提供
ミレーナとピルとの違い
ミレーナの一番の効果は、低用量ピルよりも高い避妊効果です。
低用量ピルの避妊失敗率が約0.6%となっているのに対し、ミレーナは0.14%と、非常に高い避妊率になっています。
またミレーナは避妊だけでなく、月経トラブルの改善も期待できます。
月経のトラブルは、主に増殖した子宮内膜が剥がれるタイミングに生じます。しかし、ミレーナから放出されるレボノルゲストレルという黄体ホルモンには、子宮内膜の増殖を抑える働きがあるため、月経時のトラブルを軽減する効果が期待できるのです。
現在、「過多月経」と「月経困難症」に関して、ミレーナは治療薬として承認されています。
ミレーナがおすすめの方
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長期間の避妊をしたい方
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毎日ピルを飲み続けるのが面倒な方
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低用量ピルの服用ができない方
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月経困難症や過多月経などの月経トラブルを改善したい方
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子宮腺筋症の方
ミレーナをおすすめできない方
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ピルなどのホルモン配合剤を服用し、過敏症を起こしたことがある
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月経以外の不正出血が続いているが、医師の診断を受けていない
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妊娠中(または妊娠の可能性がある)
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先天性/後天性の子宮形態異常(巨大子宮筋腫など)がある
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受精卵が子宮内膜以外の場所に着床する「異所性妊娠」の経験がある
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肝機能に障害がある
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過去3ヶ月以内に性感染症になった
ミレーナの副作用
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月経出血日数延長・月経周期変化・卵巣のう胞発症・月経時期以外の出血・腹痛など
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骨盤内炎症性疾患(PID)、子宮外妊娠、挿入時の子宮穿孔、卵巣のう胞破裂など
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不正出血・下腹痛・腰痛・おりものなど
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月経時期以外の少量出血
ミレーナでご注意いただきたいこと
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正しい位置にあるかを定期的に確認するために、必ず定期検診を受けてください。(3ヶ月後、1年後、その後年1回) なお、気付かない間の脱出に関しては、国内の臨床試験で装着後1年間の脱出率1.5%と報告されています。
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子宮口付近には、ミレーナを取り外す際に用いる糸がありますが、この糸は絶対に引っ張らないでください。
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生理中に挿入することが多いのですが、その際には痛みがともなうことがあります。
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装着から5年以内に交換・除去してください。